ギャンブルはやばい

節約

ギャンブルは「負け戦」である。この事実について、物理学の「時間」という概念を絡めて説明してみました。試行回数が多ければ多いほど、平均に収束することは、時間が進むことと同じ意味となる。すなわち、胴元の取り分が無いギャンブルでなければお金を減らすことが必然になってしまう。人生に役立つかどうかはさておき、話のタネとして楽しんでいただければ幸いです。

メルカリ

ギャンブルする旦那

 日本で遊べるギャンブルには、競馬、競輪、競艇、オートレース、パチンコ、スロット、宝くじなどが挙げられます。皆さんギャンブルが大好きですよね。ギャンブルの魅力については、勝っても負けても面白いという話を聞いたことがあります。私自身は、全くギャンブルで遊ばないので、良く分からないのですが、著書「熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録」の中で、その魅力が存分に語られています。ギャンブルは、勝った時には、一気にお金を得ることが出来たという高揚感がある、また負けた時にも、一気にお金を失うという高揚感があり、もう一度勝ちを取り戻せるはずだとのめり込んでしまうと説明されています。井川意高さんのバカラでの一回の掛け金は、数億円にもなったということですから、その快感・高揚感は、私には推し量るこもとも出来ません。最終的な負け分は、おおよそ100億円にもなったという話でした。令和5年度に久里浜医療センターが厚生労働省の補助を受けて実施した「国民の娯楽と健康に関するアンケート」(ギャンブル依存症になっている人の調査)では、次のようなデータが示されています。

  • 過去1年間のギャンブル経験:男性の44.9%、女性の26.5%
  • 過去1年間のギャンブルに使った金額(月あたり):中央値 9,000円
  • 最もお金を使ったギャンブルの種類:宝くじが最多(53.3%)、次いでパチンコ(15.0%)

この結果から、男性の方がギャンブルに積極的であることがうかがえます。地方では「娯楽がパチンコしかない」といった声を聞くことも多いため、地域によってギャンブルの浸透度が異なる可能性も考えられます(エビデンスはありません( ´∀` ))。また、日本の生産年齢人口(2023年時点で7,450万人)が、中央値通り月9,000円をギャンブルに費やしていると仮定すれば、一か月で約2,300億円がギャンブルに使われている計算になります。この値を12倍すると年間に使われる金額が概算出来て、年間で2兆7600万円ギャンブルにお金が使われている計算になります。日本の2023年の実質GDPは、555.8兆円(https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html)なので、日本のGDPの5%分位の市場規模です。もちろん、この値は、あくまでもギャンブルに使われたお金の総量を示しているので、その金額の多くは(願わくば)、ギャンブルで遊んでいる人同士で交換されていると考えられます。

オンラインカジノ

最近では、このギャンブルのリストに入っていないが、オンラインカジノもあることが知られています。このオンラインカジノでは、すでに複数人の逮捕者が出ているため、今回の記事では取り上げないようにしています。特に有名な逮捕者としては、山口県の阿武町で起こった事件が知られています。阿武町は、新型コロナウイルスの影響で生活に困窮する世帯への給付金を誤って4630万円を誤って町内に住んでいた無職の男性に振り込んでしまい、そのお金の大半をオンラインカジノで使って、無くしてしまった事件です。この際に、特に問題となったのは、オンラインカジノの場合、この失ったお金を回収する手段がなかったことです。無職の男性が、4630万円を自力で稼ぐのは、なかかな難しいことであることは、想像に難しくない。オンラインカジノが犯罪になるというこを詳しく知りたい方は、こちらのリンクで確認してみて下さい。

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感想(14件)

必ず儲かるギャンブルはない。時間の矢は一方向にしか進まない

ギャンブルは、なぜお金が減るのか?という話をする前に、物理学の「時間の矢」の話を紹介したい。これは、時間とは何か?ということを説明する際に用いられる話である。「The Nature of the Physical World」という本の中に、時間の矢について

「任意に矢を描いてみよう。我々が矢印の方向に従うにつれて、世界の状態に乱雑な要素がますます見つかるようであれば、矢印は未来を指している。乱雑な要素が減っていくならば、矢印は過去に向いている。これが物理学で知られている唯一の区別である。乱雑性の導入が取り消せない唯一の事実であるという根本的な主張が認められれば、このことは直ちに導かれる。私は「時間の矢」という言葉を使って、空間には類似点のない時間の一方向の性質を表現することにする。」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%AE%E7%9F%A2#:~:text=%E5%BE%AE%E8%A6%96%E7%9A%84%E7%A9%BA%E9%96%93%E3%81%AF,%E4%BE%8B%E3%81%88%E3%81%9F%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82)という説明がある。

もう少し優しい言い方をすれば、とても沢山の試行回数があれば、平均に限りなく近づき、確率の偏りがある状態とは、試行回数が少ない時だと言える(確率に偏りが発生するのは、時間が巻き戻っているのと同じだ)。これは、時間が一方向に進む世界に生きている限りは、覆らないということである。こんな風に考えると、ギャンブルで自分だけが勝っている状態というのは、ギャンブルの試行回数が少ない場合においては、成り立つ可能性が高いが、ギャンブルの試行回数を重ねれば重ねるほど、ギャンブルでの収支は、還元率に収束すると考えられる。もちろん、ギャンブルの試行回数で、どれくらいが最初期で、どれくらいが試行回数が多いかということを定義することは難しいかもしれないが、ギャンブルを初めて遊んだ人が勝って、そのまま勝って生涯ギャンブルを引退しなければ、勝ち続けるのは難しいということが理論的に説明することが出来る。

ギャンブルの還元率(大まかに)

それぞれのギャンブルがどれくらいお金を失いやすいかを紹介したいと思います。先ほど述べたように、最終的にはギャンブルの結果は、その還元率に収束すると考えられます。つまり、還元率が低いギャンブルを続ければ続けるほど、大きく負ける可能性が高くなるということです。主要なギャンブルの還元率は、以下の通り示されています。

宝くじ(45.7%)、競馬、競輪、競艇、オートレース(74.8%)、サッカーくじ(49.6%)(総務省のデータよりhttps://www.soumu.go.jp/main_content/000084191.pdf)

一方で、パチンコやパチスロの還元率は店舗によって異なるため、正確に定義するのは難しいとされています。しかし、一般的な通説では約80%程度と言われています(ただし、これが本当かどうかは不明であり、信頼性に疑問が残ります)。データが明確に示されているギャンブルの中では、宝くじが最も元手が戻ってこないギャンブルと考えられます。確かに、大きく勝った人を、周りで見たことはありません。何せ、還元率は50%を割っているので、それは、そうだろうという話です。しかしながら、宝くじの収益は、防災対策や公共事業に使われているので、それはそれで悪くない気がします(自分のお金を自ら納税しにいくスタイルですね)。

ギャンブルに通っている人のあるある

・ホールに貸し付けているお金を引き出してくるわ

これは、パチンコ、パチスロに定期的に通っている人が全員言ったことがある言葉だと思う。よく聞くセリフである。これからホールに行くときに今日は勝ちたいという気持ちが伝わってくる言葉だと思う。

・俺はパチスロで絶対勝てる方法を知っている

これが出来れば、ホールを出てお金を工面する必要がなくなります。実際には、そんなことは出来ないことは、みんな承知の通りかと思います。一方で、確率的に勝ちやすい状況だけで勝負するというやり方があります。確率の偏りがある場合に、その偏りが無くなるように物事は動くので、偏りが無くなるまで試行すればいいという話だと思います。パチンコなら負けが大きい台であえて勝負することかと思います。ただ、この方法も絶対に勝てるわけではありません。また、例えばもし継続的に勝てる方法があったとしても、実は、人間はバカなので、その方法をこすり続けることは、出来ないことはわかっています。これは、確実に勝てる方法を、こすり続けることは、とても退屈だからです。ここに、勝ち負けの気持ちのアップダウンが入る余地が無くなる行為は、ギャンブルを楽しみたい人にとってのニーズとは異なってしまうからです(バイト、副業するのとどっちが得?となってしまうからです)

・馬を見るのが好きなんだ

これは、競馬が好きな人がよく言うセリフです。セットで使われるのに、「勝ち負けはどうでもいいんだ」ということを言う人も多くいると思います。しかしながら、結局競馬から帰ってきて話題になるのは、誰がどのレースで勝った。どのレースで大勝した。全員負けた。などの賭けの勝敗の話が大半になっていて、あの馬の毛並みが素晴らしかったとか、あの○○という馬はとっても早かったなどは、聞いたことがありません( ´∀` )。

・夢を買っている

宝くじを買う人全員が言うセリフですね。お金を得ることができる可能性が極めて低いので、実際に大きく買った人を周りで見たことがありません。もちろん、100万円以上の高額当選者は、全員周りの人に言わないように等の注意を受けるという話を聞いたことがあるので、そのルールが徹底されているからかもしれません。

まとめ

ギャンブルが負け戦であることを、物理学の「時間の矢」を使って説明しました。ギャンブルで常に勝ち続けることは、時間を逆行させるようなものだという点を理解していただけたかと思います。ギャンブルは個人の自由な娯楽ですが、それが借金や人間関係の悪化、不幸を招くことのないよう、適度に楽しむことが大切です。

実際に、私の身の回りの人の様子を観察していても、色々と思うことがあります。パチンコ、パチスロを始めた友人が、恋人から借金をしてホールに通っていて、大きな喧嘩になった。友人の複数人に借金をして、お金を全然返さず、周りから友人が居なくなってしまう。こんな風に、本人は、あまり気が付かず、周りに迷惑をことはよくある話のように思う。くれぐれも予算の範囲内で遊ぶということを守って欲しいと思う。

また、パチンコに定期的に通っている友人に、何が楽しくてパチンコをしているのか?と尋ねたことがあります。この際に、友人は、パチンコの台で好きなキャラクターがいて、パチンコに行くのは、珍しい演出を見たいから、勝っても、負けてもいいんだということを言っていた。また、脳汁を出すために行っているということも併せて話していた。これを良いとか悪いとかいうことは、その人の価値観の問題なので、それは、もう好きにすればいいと思われます。人間の価値観は、人それぞれです。誰しも自分しかわからない幸せがあると思います。その幸せな感覚は、他者に迷惑をかけない限りは、誰にも否定していいものでは、ありません。特に、近年テレビ放送の影響力がどんどん薄れてきていて、皆が好きなものが違っています。例えば、小学校のクラスで、生に好きなものや、キャラクターのアンケートをとっても、全員が違う回答をしてしまって、結局まとまらないという話があります。情報を得る方法が、多様化している現代を象徴するエピソードではないでしょうか。金子みすゞの詩「私と小鳥と鈴と」が、1924年に発表されてから、約100年、ようやく本当に「みんなちがってみんないい」が許される時代になってきたことを感じます。

最後は、あまり本筋とは関係ない話をしてしまいましたが、この記事が、ギャンブルについて考える一助となれば幸いです。

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