普段、子供に絵本を読み聞かせしている際に、ひっかかりがあった絵本「あかねのきゃんばす」について紹介します。図書館等で見かけたら、是非手に取って読んでみて欲しいです。
あかねのきゃんばすの概要
らる・いしはらさんによって作られ福音館が出版している切り絵によって表現された絵本です(https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=2711#modal-content)。対象は、年中(4歳)以上くらいだと思います。1ページあたりの文字数は少なめなので、リズム良く読める絵本です。あかねちゃんという主人公が森の中で、花の絵を描いていました。そこにうさぎがあらわれて、花をキャンバスの中から取り出します。うさぎが去った後、あかねちゃんは、クッキーを描いて、それを取り出そうとすると、取り出すことができ、食べることが出来ました。森の動物達が寄ってきて、皆でクッキーを食べます。森の動物達は、飛行機を出すことを提案します。提案通り、あかねちゃんは、キャンバスに描いた飛行機を取り出し森のみんなを乗せ、森の上を飛行機で飛びます。それを見ていた森の木が集まってきて、森の木を飛行機に乗せて森の上を一回りします。最後のシーンで、今まで持っていたあかねちゃんのキャンバスから取り出した花を、あかねちゃんのキャンバスに返します。うさぎが去った後、キャンバスから取り出した飛行機が消えてなくなってしまいます。以上が、あかねのきゃんばすのストーリーです。
![]() |
あかねのきゃんばす (こどものとも700号記念コレクション20) 新品価格 |

どういうところに引っ掛かりがあるの?
あかねちゃんの身に起こった不思議な出来事を起こしたのは誰でしょうか?あかねちゃんがキャンバスをもって森に行くまでは、キャンバスから絵を取り出せるとは思っていません。それは、うさぎがキャンバスから花を取り出していいか尋ねた際のリアクションから推察できます。ストーリーを通して、うさぎは、あかねちゃんのキャンバスから取り出した花を、最後にあかねちゃんのキャンバスに返すまで、持っています。そして、キャンバスに花を返すと、キャンバスから取り出した物が全て無くなってしまいます。このことから、あかねちゃんの身に起こった不思議な出来事は、うさぎがかけた魔法であることが推察できます。絵本の多くは、児童に分かりやすいように描かれていることが普通です。この推察を、年中の子が理解することは、出来ないと思います。それでも、うさぎがかけた魔法のことを暗示するだけの表現に留めていることに、ひっかかりを感じました。作者は、なぜ直接的な表現をしなかったのでしょうか?子供は、表面的なキャンバスから物が取り出せるとか、森の動物たちと飛行機に乗って散歩するなどの部分を面白がり、読んでいる親は、この絵本の裏の主人公のうさぎについて考察できるように、ストーリーに深みを持たせているのではないでしょうか?
おわりに
絵本「あかねのきゃんばす」についての感想を記事にしました。絵本自体は、新しく購入するのは、難しいかもしれませんが、福音館の絵本なので、図書館で見つけることができると思います。ぜひ手に取って読んでみて欲しいです。本ブログは、他にも絵本に関する記事を書いているので、そちらも参考にしてください。



コメント